式部たかしの 書斎

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〜掲載作品一覧〜

  

短篇

 ――末期がん

 なのだそうである。
 慶彦は、医者の説明を上の空できいていた。

 急に「末期がん」と云われても、実感はなかった。
 まるで他人事のような感覚――

 病院の2階の診察室の窓からは、薄紅色に染まった桜の満開がみてとれた。

 ――短篇(2009年3月、執筆)

  『桜』


起源の探査

 探査船の観測員は、宇宙の暗がりに浮かぶ青い惑星を初めて目にしたときに、「ここが人類の起源に違いない」と言った。
 操縦士が理由を問うと「今までに訪れたどの惑星とも異なっているからだ」と答えた。

 ――短篇(2008年1月、執筆。2008年3月、加筆)

  『起源の探査』


光り輝くとき

 男が街を歩くとき――
 周囲は光に満ちていた。

(この世は自分のためにある)
 と、本気で信じて疑わなかった。

 ――短編(2007年2月、執筆)

  『光り輝くとき』


この夏の花火

 高校を卒業して二年目の夏――

 僕は江戸川の土手を歩いている。
 一人、歩いている。
 川下に向かって歩いている。

 ――短篇(1993年8月、執筆。2005年7月、加筆)

  『この夏の花火』



  

短篇連作


随筆の心象風景 〜魔術幻想舞踊〜

 東京駅に11番ホームはない。

 なのに――
 僕が神咲康子と出会ったのは、この11番ホームがきっかけであった。

 以来、20年の付き合いになる。

 が――
 あのときの真相を、僕は、いまだに知らない。

 ――随筆筆致の小説・短篇連作(2005年4月、執筆開始。2006年12月、執筆終了)

  『随筆の心象風景』作品一覧



  

長篇・長篇連作


札幌の娘

 予備校の模擬試験の帰り道――
 新宿駅東口の切符自販機の前――

 その娘は悪びれなかった。
「すみません。あの……、お金、貸していただけません?」
 それが始まりだった。

 ――青春小説・長篇(1993年11月、執筆。2005年4月、加筆)

  『札幌の娘』目次



イフリディーティ・サーガ

「イフリディーティ」は人類発祥の銀河の名――
 遠い昔、人類は、この銀河を巣立ち、宇宙の各所に散っていき、各々の銀河にあって、独自の文明を築き、泰平の世を享受していた。
 ところが、数百年前のある日、軍事力に秀でた銀河文明が、イフリディーティ銀河を目指し、苛烈な侵攻を開始する。
 なぜ、自分たちの銀河が侵攻されるのか?
 その理由が全くわからないままに、イフリディーティの人々は、長く不毛な「銀河戦役」を戦うことになる。

 ――銀河戦役の社会や時代を描いたスペース・オペラ風ジュニア小説・長編連作(1991年4月、執筆開始)

  『イフリディーティ・サーガ』作品一覧



宇宙にいちばん近い夜

 サミュエルは村の天文台に出入りする少年です。
 ある夜、天文台から家に帰るときに、不思議な体験をします。
「この〈銀河宇宙の天文台〉で、おまえの見果てぬ夢をかなえてあげよう」
 そう、老人は云いました。
 サミュエルが〈銀河宇宙の天文台〉で体験したもの――
 それは、異世界の様々な人々との巡り逢いです。

 ――異世界の文明論、歴史論、人類論、生命論、自然科学論を欲張りに盛り込んだ童話風ファンタジー小説・長篇(1990年冬、執筆)

  『宇宙にいちばん近い夜』目次




 
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