2025/6/43

 ええ〜。

 例によって、6月43日付の『京子さん日記』でございます(w

 ……

 ……

 今回は――

 あらかじめ管理人のマル太くんに断っての「6月43日」でした。

 ……

 ……

 6月下旬から7月上旬にかけて――

 私のスケジュールが、ちょっとタイトになってたもんですから、

 ――マル太くん、ゴメン、次回の『日記』は、10日くらい遅れる。

 ってメール、出してたんです。

 ……

 ……

 そしたら――

 マル太くんからは、

 ――オッケー。問題なしで〜す。

 って感じの返信だったんで、

 ――じゃあ、よろしくね〜。

 って感じで返したら――

 ……

 ……

 マル太くん――

 なんの告知もしてくれない(苦w

 ……

 ……

 たんに京子さんがサボってただけ――みたいな流れになってた(苦w

 ……

 ……

 ……

 ……

 ええ。

 いいですとも。

 ドMの京子さんにとっては――

 これしきのことなんぞ、どうってことは、ありませんことよ――おほほほ。

 ……

 ……

 ……

 ……

 そうこうしてるうちに――

 6月が終わって――

 ……

 ……

 何日かが経ったころ――

 ……

 ……

 ……

 ……

 マル太くんから珍しくメール。

 ――そういえば、京子さんさぁ、レビー=ストロースに、けっこう詳しかったよねぇ。

 っていう謎の打診。

 ……

 ……

 ええ〜。

 ――レビー=ストロース

 って云うのは――

 フランスの人類学者・民俗学者の人の名字です。

 20世紀の真ん中くらいから注目され始めました。

 ……

 ……

 ――構造主義

 って考え方があります。

 それを――

 このレビー=ストロースさんって名字の学者さんが編み出して――

 ご自分の人類学・民俗学の研究に持ち込んで――

 一世を風靡しました。

 ……

 ……

 ――構造主義

 って云うのは――

 ほとんどレビー=ストロースさんオリジナルの考え方で――

 ……

 ……

 ――レビー=ストロースといえば構造主義、構造主義といえばレビー=ストロース――

 みたいな感じになったんですね。

 ……

 ……

 今も、そんな感じになっています。

 ……

 ……

 で――

 マル太くん――

 ……

 ……

 そんなフランスの学者さんの名前を出してきて、

 ――けっこう詳しかったよね〜。

 って云う謎メール。

 ……

 ……

 この手のメールには、要注意――(苦w

 ……

 ……

 だから、

 ――いやぁあ、まあ、別に「詳しい」ってほどではないよぉ。

 って返事しといたんだけど――

 ……

 ……

 その次の日くらいに――

 マル太くんから電話の着信が残ってて、

 ――なに?

 ってショート・メッセで送ったら、

 ――レビー=ストロースの構造主義について、3分で語ってもらおうと思って――

 だって――

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 語れるか バカ野郎

 ……

 ……

 ……

 ……

 まあ――

 マル太くんが、こんな無茶ブリをしてきたのには――

 そこそこワケがありまして――

 ……

 ……

 それは――

 今から20年くらい前――

 私が、某同人誌系のエッセイ集に、

 ――戦闘美少女ピンチ構造――レビー=ストロースの「神話の構造」をヒントに――

 みたいな論文(もどき)を載せたことがありまして――

 ……

 ……

 それが、おかげ様で、そこそこウけたんすよ――その界隈で――

 ……

 ……

 ……

 ……

 それをマル太くんも知ってたもんだから――

 ああいうメールになったんですな、きっと――

 ……

 ……

 なんでマル太くんが急にレビー=ストロースに興味もったかは訊いてませんけれど。

 ……

 ……

 ……

 ……

 その論文モドキで、どんな話を私が書いたかって云うと――

 ……

 ……

 いわゆるヒロイン・ピンチ系の物語にも、レビー=ストロースが「構造」と呼んだ構図みたいなものが隠されてるんじゃないか――

 って話です。

 ……

 ……

 レビー=ストロースが呼んだ「構造」って云うのは――

 ちょっと――って云うか、だいぶ――わかりにくいんですけれど――

 ……

 ……

 例えば、数学っぽい規則みたいなもんです。

 ……

 ……

 どういう規則かって云うと――

 ……

 ……

 ……

 ……

 何回か大学に入り直してる仲良し3人組がいるとします。

 Aさんは、ある大学では、Bさんの先輩です。

 別の大学では、Bさんは、Cさんの先輩です。

 さらに別の大学では、Cさんは、Aさんの先輩です。

 んでもって――

 ある時――

 3人で集まって宅飲みをしてました。

 宴もタケナワになって――

 AさんがBさんに雑用を頼みます。

 ――おい、なんかジュース、買って来てよ。

 すると――

 Bさんは、それをCさんに頼み、CさんはAさんに頼みます。

 つまり、Aさんに返ってきちゃった(w

 ――え? なんでオレが買いに行くの?

 っていうワケです。

 この時――

 この3人は、云ってみれば「グー・チョキ・パーの関係」にあるわけですよね。

 つまり、この3人の間では、じゃんけんの規則が成り立っている。

 このようなときに、

 ――AさんBさんCさんの3人には構造があり、それは、じゃんけんの構造と同じである。

 と考えます。

 これが、レビー=ストロースの云う「構造」です。

 ……

 ……

 私が云うと、なんかウソっぽいですが――(w

 ……

 ……

 でも、本当です。

 ……

 ……

 ……

 ……

 さっき、

 ――「構造」は数学っぽい規則みたいなもん

 って云いましたけど――

 ……

 ……

 それは――

 この場合は、たしかに規則っぽいけれど――

 ……

 ……

 他にも――

 例えば――

 構図っぽいものだったり――

 関係性っぽいものだったり――

 形式っぽいものだったりするのが――

 あるらしいです。

 ……

 ……

 で――

 レビー=ストロースは――

 こういう「構造」が、世界各地に伝わってる神話にもあるんだ――

 って云ってます。

 ……

 ……

 現代に伝わってる神話のストーリーを断片化してみて――

 その断片にされたものを、一つ一つ整理していく。

 ……

 ……

 例えば、

  神αが火を吐く竜を退治する

  猿が神βを丁重にもてなす

  神γは片目が見えなくなる

  猪が獅子から逃れて天に昇る

  大洪水が起きて亀が王になる

 みたいな感じです(テキトーに書いてます(w

 ……

 ……

 で――

 この断片を巧く整理すると――

 どの神話にも共通している、ある構造が見えてくる。

 ……

 ……

 それは――

 次のような比の式みたいなもので表せる。

  Fx(a):Fy(b) ≒ Fy(b):Fa-1(y)

 ……

 ……

 ここでいう「a」とか「b」は、「美」とか「善」とかの概念です。

 また、「Fx」とか「Fy」とかは、そういう概念の関数です。

 これは、

 ――概念の機能

 って云った方がいいかもしれません――「関数」は英語で「function = 機能」、フラ語でも「fonction = 機能」じゃないですか。

 ……

 ……

 なので――

 日本の大学教養レベルの数学の慣例に沿って「Fx(a)」や「Fy(b)」を書き表すと、

  Fx(a)=x(a)

  Fy(b)=y(b)

 みたいな感じになります。

 ……

 ……

 で――

 一番わかりづらいのが、この「 a-1」ってやつで――

 ……

 ……

 どうやら、これは、「 a ひく 1 」じゃなくて、「 a の逆元」って意味みたいです。

 ……

 ……

 逆元って云うのは――

 プラス・マイナスの符号が反対の数とか、掛け合わせると 1 になる数とか。

 ……

 ……

 つまり、「 a-1」は「 a と反対の概念」ということですね。

 例えば、「a」が「美」なら、「a-1」は「醜」みたいな。

 ……

 ……

 そうすると――

  Fx(a):Fy(b) ≒ Fy(b):Fa-1(y)

 って云う構造は――

 例えば、こんな感じ。

  闘(美):暴(悪) ≒ 闘(悪):醜(暴)

 ……

 ……

 これが、どんな構造を表してるかって云うと――

 ……

 ……

  美しい女神が闘ってるってこと vs 悪しき魔物が暴れてるってこと

 って云う対比と、

  悪しき魔物が闘ってるってこと vs 暴れていると醜くなるってこと

 って云う対比とが――

 同じ神話の中でアナロジーっぽく(類比的に)語られている――

 ってこと。

 ……

 ……

 例えば、美しい女神は、悪しき魔物が暴れているのを抑え込むために闘っていて――

 実は、その悪しき魔物は、暴れていると醜くなるのを抑え込むために闘っている――

 みたいな設定が読み取れる、とか……。

 ……

 ……

 で――

 京子さんが、20年前に云いたかったことは――

 ヒロイン・ピンチ系の物語には、神話とは別の構造があるに違いない、と。

 それは、

  Fx(a):Fy(a-1) ≒ Fx(b):Fy(b-1)

 っていう構造。

 ……

 ……

 例えば、こんな感じ。

  闘(美):暴(醜) ≒ 闘(善):暴(悪)

 ……

 ……

 つまり、

  美しい女神が闘ってるってこと vs 醜い男神が暴れてるってこと

 の対比と、

  善なる神々が闘ってるってこと vs 悪なる魔物が闘ってるってこと

 の対比とが――

 同じ1つのヒロイン・ピンチ系の物語では、繰り返し、繰り返し、語られているって云うこと。

  Fa-1(y)

 みたいに、数と関数の関係とを入れ替えてストーリーに幅を持たせる、みたいなことは――

 神話にはあるけれど――

 ヒロイン・ピンチ系の物語には、全然ないってこと。

 美しい女神は最後まで善なる神々の一員であり、醜い男神は最後まで悪なる魔物に操られている。

 美しい女神が途中で魔物に操られたりしたら、少なくともヒロイン・ピンチ系としては、興が覚めてしまう。

 そこが、神話とは決定的に違うところなんじゃないか……。

 ……

 ……

 そんな話を――

 20年前の京子さんは、その論文モドキで熱く語ったのでした(w

 ……

 ……

 ……

 ……

 云っときますけど――

 あくまで、遊びですからね。

 ……

 ……

 本気で構造主義の研究をやる気なんて――

 さらさら、なかったですよ。

 ……

 ……

 今も、ないです(w

 ……

 ……

 私、フラ語、そんなにできません。

 英語だって、人類学や民俗学の論文をがんがん読めるほどは、できません。

 ……

 ……

 日本語がいいです(w

 ……

 ……

 ……

 ……

 そこんとこ――

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(やっぱり、美しく善なる女神が醜くて悪なる男神に嬲り嬲りされるシチュエーションが一番しっくりくる京子さんに愛の手を〜)

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