2021/10/28

 最近ね、

 ――ビジュアル

 が絡まないエロって――
 ちゃんとエロとして成立しないんじゃないかって、思ってる。

 ……

 ……

 ――ビジュアル

 が絡まないエロって云うのは――

 まあ、手っ取り早く具体例を挙げるなら――

 例えば、官能小説なわけだけど――

 ……

 ……

 私ね――

 自分が絵描きだから云うわけじゃなくて――

 本気で、
(ビジュアルが絡まなかったら、エロにならないでしょ)
 って思うようになったんですよ。

 ……

 ……

 そう本気で思うようになったのは――

 意外にも、ここ1年くらいのことです。

 ……

 ……

 それまでは、
(いやいや、官能小説はエロ漫画よりエロいから……)
 とか云って――
 本気で、そう思ってて――

 ……

 ……

 ……

 ……

 実際――

 私、官能小説、けっこう好きなんですよね。

 かなりインスピレーションになる――20代の頃、エロい官能小説を読むと、自分のエロ漫画を無性に描きたくなった――

 それは、40代の今も、変わらない。

 ……

 ……

 ……

 ……

 けど、今は、
(官能小説って、実は、そんなにはエロくない)
 って思ってる。

 ……

 ……

 ……

 ……

 いったい、どういう心境の変化かって云うと……。

 ……

 ……

 要するに――

 ――たしかに、官能小説を読んでて「エロ!」って感じることはあるけど、それは、それを読んでる本人の頭の中がエロいからなんであって、官能小説がエロいからではない。

 ってこと。

 ……

 ……

 だって、私――

 官能小説を読んでて、自分で、けっこうメチャクチャ、ビジュアル補ってるもん。

 ……

 ……

 だから、気づけたわけ。

(あ、この文章がエロいは、文章自体がエロいからじゃなく、私自身がエロいからだ)
 って――(w

 ……

 ……

 ……

 ……

 こう云うと、

 ――官能小説作家を見くびるのか!

 って、お叱りを受けるんだけども――

 ……

 ……

 そうじゃなくて――

 ……

 ……

 官能小説の作家さんたちは、エロい人の頭の中にあるエロを引き出してるの。

 その引き出し方がプロ級に巧いと官能小説家になれる――もちろん、文章もプロ級に巧くないとなれませんがね。

 ……

 ……

 なので――

 そんなに頭の中がエロくない人が、いくら凄腕の官能小説家の作品を読んだところで、

 ――なに、これ? ぜんぜんエロくないし――

 って結論になっちゃう。

 ……

 ……

 そりゃ、そうですわ――あなた自身がエロくないんですから、エロいわけがない。

 ……

 ……

 ……

 ……

 で――

 ここからが、意外に大事なところじゃないかと思うんだけど――

 ……

 ……

 少なくとも現代人の頭の中のエロって、大部分がビジュアルじゃないかって、京子さんは思うわけですよ。

 ビジュアルじゃないエロを頭の中に仕舞ってる人って、今は、ほとんど存在しないんじゃないか、って――

 ……

 ……

 その歴史は、意外に古く――

 たぶん、江戸時代に浮世絵が出て来てから、人の頭の中のエロって、基本的にはビジュアルじゃなかったか、と――

 ……

 ……

 あ――

 平安時代とかは、もしかしたら、暗闇の中で聴こえてくる声とか音とか、匂ってくる香とかでインプットされてたかもしれません。

 が――

 それも、たぶん上流階級の貴族とかの話であって――

 庶民は、ふつうに明るい時に明るい所で性行為してたと思うんで――

 やっぱり、ビジュアルじゃなかったか、と――

 ……

 ……

 ……

 ……

 こう云うと――

 私の数少ない女友達が、こう云うんです。

 ――あなたの意見って、完全に男目線じゃない?

 って――

 ……

 ……

 ――だって、大部分の女は、性行為の最中、暗い時に暗い所で目を閉じてるから、ビジュアルのエロって、そんなにインプットされないよ。

 って――

 ……

 ……

 ……

 ……

 うん――

 そうかもしんない(w

 ……

 ……

 私――

 自分の頭の中のビジュアルのエロは、自分の性体験からじゃなくて、マンガとか映像とかから来てるわ。

 ……

 ……

 自分の性体験だけを素にしてたら――

 たぶん、私も、こんなにエロくはなれなかった(w

 ……

 ……

 ……

 ……

 ちなみに――

 私に向かって「男目線じゃない?」って云ったコは、たぶん、心が清らかで、そんなにエロくないの。

 子どもが2人以上いるから、性行為の経験は十分なはずだけど――

 たぶん、彼女の頭の中にはビジュアルのエロは、ほとんど仕舞われてないはず――

 って云うか、声にせよ、音にせよ、香にせよ、エロは、ほとんど何もインプットされてないんじゃないかな――そのコの頭の中には――

 だから、そのコが官能小説とか読んでも、ぜんぜんエロく感じないはず――実際、「読んだことないし、読もうと思ったこともない」って云ってた。

 ……

 ……

 ……

 ……

 そんなことを考えてる最近の京子さんです。

 ……

 ……

 そのうち――

 こんな話を、セガレ(今年で6歳)とするようになるかもしんない。

 あと10年くらいしたら?(w

 ……

 ……

 いや、20〜30年はかかるだろ。

 エロを理性的に語るのは、10代では難しい。

 ……

 ……

 あと20〜30年したら、その頃の私、すっかりお婆ちゃんだ。

 ……

 ……

 エロいお婆ちゃんになれてますように――(w




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(美人女流作家が自分をモデルに美人探偵を描き、その探偵が最後に凌辱・惨殺されるって官能小説が最高にエロいと思った京子さんに愛の手を〜)

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