2006/7/19

 ご無沙汰をしてをおりました。
 随分、久しぶりですよね。どれくらいだろう? 1ヶ月くらい?

 ご無沙汰をしてたのには、わけがありまして――

 実は、ちょっとした事件があったのですよ。
 どんな事件かと云いますと――

     *

 先月――
 とある夜に――

 自宅のアパートで、一人、チアリーダーのコスプレをし、いそいそとマンガを描いてたら――
 突然、玄関を蹴破られ――
 3、4人の男たちが乱入してきました。

 男たちは、京子さんに有無を云わせず、京子さんの髪を引っ掴み、床に引き倒して、スカートをまくって、下着をズリおろし、次から次へと挿入し――
 京子さん、あえなく輪姦の憂き目に――

「いやあ! いやあ!」
 と渾身の力で抗ったけれど、男の力には勝てず――
 最後は縄で縛られ、天井から吊るされ、精魂、果てました――

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ……

 ―― っていう マンガ を描いて 編集に送ったら、

 ……

 ……

 ……

 ……

  ドンびき

 されました。

「どうしたの? 何かあったの?」
 と――

 それはもう凄いひかれようで――
「ドンびき」ってものじゃありません。

  激びき あるいは 劇びき

 って感じです。

 そこまで、ひくことはないだろうに――

 何年の付き合いだよ。
 少しは京子さんの本性を見抜けよ、ボケ――

 ――何かあったの?

 って、何もないよ。

 ただ、自分をネタにエロマンガを描いてみただけだよ。
 よくあるっしょ? 自伝的マンガってヤツ――

 ――って、そんな風に、いくら釈明を重ねても――
 向こうは悲痛な面持ちで首を振るばかり――

「あんた、おかしいよ」
 って、真顔で説教されました。

「もう少し自分を大切にしなよ」
 とも――

 ……

 ……

 なんでさあ!!

 これも身を切るネタの一つじゃないか!
 身を切るギャグがあるなら、身を切るエロがあったっていいじゃないか!

 ――って、そんな風に、いくら反論を重ねても――

「なにも、こんな風に身を切らなくてもいいんじゃない?」
 って云われました。

「こんなの初めてだよ」
 とも――

 ……

 ……

 ――こんなの初めて――

 ってのは、ごもっとも――
 自伝的マンガが珍しくないとはいえ、エログロ路線は皆無でしょうから――しかも自分がマワされるヤツなんて――

 ……

 ……

 初めてだから、やったんじゃんか、バカぁ!

 ……

 まあね。
 自分でも多少おかしいってのは、わかってるんですよ。

 京子さん、時々、自分を壊したくなるのだよ。時に、やたらと激しく壊したくなるのね。
 破滅願望の一種だと思う。

 京子さんは、いたいけな少女だった頃から――
 たまに、こんなマンガを描いて、一人、悦に入っていたんです(気持ちワルぅ〜〜

 もちろん、中学・高校の頃はズッと隠してたわけだけど――
 京子さんも今年で31なので、
(そろそろカミングアウトすべきかな)
 などと思いまして――

 何が「31なので」なのかは、よくわかりませんけれど――

 ちなみに――
 マンガの中で京子さんをマワした男どもは、もちろん、

 ――労務者風 (ろうむしゃふう)

 でございます。

 さすがは京子さん、その辺のツボは外さない――

 註:労務者…ビニ本全盛期のキーワード。ビニ本の中で、若い女性が性被害体験を告白するときに、なぜか犯人は決まって「労務者」とされる。「労務者」が何を意味しているかは不明。肉体労働者の意味で用いられている模様。

 労務者風ってことは、ターゲットは青年〜中年層ですよ。
 なにせ、京子さん、そんなに若くも美しくもないからね。
 若年層のオカズになるのは、さすがに無理というもの――

 ちゃんと、ここまで計算して描いたのに――
 結局、この原稿は、編集の意向によって、キレイさっぱりボツになりました。

「あんたの体が、かわいそすぎる」
 って云われました。

「あんたの心は、どうでもいいけど――」
 とも――

 ……

 ……

 私の心が私の体をどうしようと勝手じゃないか!
 しかも、マンガの中のフィクションなんだから!

 で――
 この話を弟にしたら、やっぱり、

  ドンびき

 されました。

「姉ちゃん、操(みさお)って言葉、知ってる?」
 だって――
 マジ心配されました。

 知ってるよ、「操」くらい……。

 ……

 ……

 そりゃあ、私だって、あんなことを本当にされたら嫌だよ!
 マジ落ち込むと思うよ。死のうかと思うんじゃない?

 けど――
 虚構の世界だから、いいじゃないか!

 ……

 ……

 で――
 この話に、唯一、狂喜した男がおります。

 マル太くんです。

「ん けけけけけ !」
 と欣喜雀躍――

 まるで 悪魔のよう でしたね。

「いやあ、京子さんって、実に楽しい人だね!」
 だって――
 マジ喜んでました。

 このリアクションは予想外だったので――
 さすがの京子さんも、次第に気分が悪くなり――
 当のマンガの原稿を、マル太くんだけには絶対にみせまいと、かたく誓いました。

 今日も、つい先ほど会ったときに、
「ねえ、あの原稿、みせてよ〜、京子さん〜」
 などとホザいておりましたが、

 ―― 完全無視!

 でございます。

 絶対みせてやんない!

 以上――「ちょっとした事件」のアラマシでした。


みんな注目!!
@With 人気Webランキング
投票は、ここ(↑)をクリックするだけ
1日1回、毎日有効、よろしく!!

特設投票箱
(操も知らない(ようにみえる)京子さんに愛の手を〜)

戻る