2005/ 5/23

 というわけで、行ってきました、混浴・露天風呂――
 行くまでは最悪にブルーでしたが、行ってみたら、それなりに気持ちよかったですよ。

 そもそも、なんで、こんなことになったかと云いますと――

 きっかけは「たほいや」です。

 ご存じですか?
 昔、フジテレビ系列の深夜番組でやってました。
 言葉遊びのゲームです。

 ちょっと長くなりますが、ルールを説明しますと……。

 まず親1名と子数名とを決めます。
 親は、広辞苑などの辞書から一つの言葉を選び、その意味を紙に記します。
 子たちは、親が選んだ言葉の音だけを頼りに、辞書がどのような意味を記しているか、想像をし、意味を紙に記します。
 それらを親が回収します。
 親は自分が記した辞書の意味と、子がそれぞれに記した意味とを、ランダムに読み上げます。
 そして、どれが辞書の意味かを子たちが当てるんです。
 見事、当てることができたら、その子の勝ち――誰も当てられなかったら親の勝ちです。

 意外と面白いのよ、これが……。
 結構、ハマります。
 適度に知的なのが飽きない理由でしょう。

 よくわかりませんか?

 では、具体例をあげましょう。

 例えば、親が「だまーる」という言葉を選んだとします。
 子たちは音だけが頼りです。
 例えば、カタカナ表記かひらがな表記かとか、「ー(棒)」があるとかないとか、そういうことは一切、説明されません(説明してもOKというローカル・ルールあり)

 子たちは、「だまーる」という音だけを頼りに、言葉の意味を想像し、紙に記します。
 そして、子たちの書いた意味と辞書に書かれている意味とが一緒に読み上げられるんです。
 例えば、「だまーる」について、

 (1)旧樺太領の村名
 (2)オランダの哲学者
 (3)「黙る」のなまり
 (4)天然樹脂の一つ
 (5)男性のはしたない様子

 と、なるわけです。
 子が4人の場合は、全部で5つの意味が出てくるわけですね。
 この中の一つが辞書に書かれている意味ってわけです。

 さて、皆さん――
 どれが辞書の意味か、わかりますか?

   *

   *

   *

   *

   *

   *

 正解は(4)です。
 ダマールって天然樹脂なんですね。
 講談社さんの『日本語大辞典』に、そう書かれています、はい。

 ね?
 面白いでしょ?

 実は、やってて一番、面白いのは嘘を書くときなんですよ。
 自分の書いた嘘が本当だと誤解されたときの快感は何物にもかえがたいんです。
 クセになります。

 で――
 何の話をしてたかといいますと、混浴・露天風呂の話ですね。

 先日、東京から同人誌関係のお友達が仙台にやってきました。
 そのときに、この「たほいや」をやったんですよ。
 マル太くんも一緒です。

 って云うか、マル太くんがやろうって言い出したんですが……。

 で――
 一番、負けた人は罰ゲームってことになりました。
 罰ゲームの中身は、誰が負けるかによります。

 例えば、マル太くんが負けた場合は 公衆の面前エッチなマンガブック・カバーなし でよむ、というもの――

 もちろん、マル太くんの本性を知っている京子さんが黙っちゃおりません。

「そんなの、全然 ヌルいじゃん!」

 けど――
 そう云った私がバカでした。

 マル太くん、ニヤリと笑って、
「じゃあ、僕が負けたら、温泉旅館のロビーでパンツ一枚でエッチ・マンガをよむでいいよ」
 とか云うでは、ありませんか!

(しまった! 罠だ!)
 と焦る京子さん――

 案の定、マル太くんは云いました。
「そのかわり、京子さんが負けたら、混浴・露天風呂に入ってもらうからね」
 他の2名が大喜び――
 そうです。
 女は京子さんだけだったんです。

 チョーむかつく。

(だいたい「混浴・露天風呂」なんてあんのかよ?)
 って思ったら、ありましたよ。

 さすがはマル太くん――

 京子さん虐め に手抜かりはありません。
 仙台から山形の方へ車でちょっと行ったところに作並温泉という温泉街があります。
 そこに混浴・露天風呂があったんです。

 売られた喧嘩は買うのが京子さん――

「よっしゃー。受けて立とうじゃないの!」
 と云ったはいいけど、やっぱ無謀でした。

 私、専門は絵なんだからさあ〜。
 飛んで火にいる夏の虫――アホ阿呆の京子さんです。

 まあ、「たほいや」自体は結構、盛り上がって、よかったんですよ。

 このときは特別ルールでやりました。
 私たちの同人誌関連の言葉しか選んじゃダメという縛り付き――

「アニメーション」とか「美少女」とか「ロリコン」とか「触手」とか……。

 これって、親になったときの言葉選びが大変でした。

 例えば「触手」って選ぶと、酷い目にあいます。
 講談社さんの『日本語大辞典』では、

  多くの下等動物の前端部や口の周辺にある屈伸自在な突起物

 って書いてあるんです。
 けど、こんなもん、普通の人にはかけません。
 みんな、

  軟体動物のトゲのこと

 とか、

  幻想獣の手足のかわりになるもの

 とか、とにかく表現が拙いんだもん。
 文章の量も少ないし……。

 まあ、無理ないよね。
「触手」を選んだ私が悪いんだよね

 だいたい「屈伸自在な」なんて、ふつう出てこないもん。

 そうです。
 京子さん、親のときに、ことごとくやられました。

「いかにも素人っぽい文で意味が書いてある言葉を選ぶのがコツだよ」
 って、マル太くんは教えてくれました。
 私の敗北が決まった後で……。

 酷いよ、マル太くん――

 というわけ、次回『京子さん日記』――

  危うし、京子さん!

  露天風呂で公開処刑 !?

 乞うご期待!

 って云うかさあ、これって普通にセクハラでしょ?

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