2004/ 8/ 5

 今日、仙台は花火大会です。
 ドカン、ドカンと、広瀬川のほうが賑やかです。
 そうです。仙台の花火大会は広瀬川の河原で開かれます。

 町中を歩いていると、ところどころに、人だかりです。
 何してんだろうと思って、みんながみてる方をみてみると、ビルの合間から、花火がみえるわけですよ。
 会場にいかなくても、それらしい気分に浸れるのは、いいことだけどね。

 今日は、マル太くんと久々に会って、話しましたよ。
 この前の小説の共同制作の打ち上げです。
 のびのびになっていましたが、ようやく、今日、二人とも時間がつきました。
 二人とも、暇なようで、結構、忙しいんですね。

 まず、回転寿司屋にいきました。
 こうみえても、私、回転寿司屋なんか、滅多に入りません。
 でも、マル太くんは、回転寿司屋に一度入ると止まらなくなるって、『道草日記』に書いていたので、どれくらい止まらなくなるのか、みてやろうと思って、私から、回転寿司屋に誘いました。

 極悪です。

 もちろん、マル太くんは、全く乗り気ではありませんでした。
「多分、全然、面白くないよ」
 と、云っています。
 私が一緒だと、気になって、そんなに食べれないだろうと、云うんです。

 それでも、17皿食べていました。

 異常です。

 ところで、私の前で、お寿司、握ってたおじさんに、ちょっと、びっくりしましよ。
 名札をみたら、私の本名と同じでした。

 げげげ。

 まあ、いいけどさあ。
「佐藤広美」なんて、男にも女にも、腐るほどいそうな名だし……。

 同姓同名の異性に出会ったのは、これで三度目です。

 親を恨んでやるウ。

 回転寿司屋のあとは、近くの喫茶店に入りました。
 そして、大通りが見渡せるカウンター席について、しばらく、マル太くんと取り留めのない話をしていたら、隣の席に座っていた浴衣姿のお姉さん。

 今日は、仙台、花火大会ですからね。
 浴衣姿のきれいなお姉さんが多いのです。

 そんなきれいなお姉さんを狙って、貧相なオヤジ登場。

 年甲斐もなくナンパですか?

 は!

 あんた、歳60はいってっしょ?
 喫茶店で若いお姉さんに声かけるなんて、30年遅いよ。

 しかも、超格好いいロマンスグレーなら、まだ許せるけどさ、ブツブツと独り言いってる単なる酔っ払いじゃないかい。
 しかも、首からカメラぶら下げて。

 あんた、カメラ小僧かい!

 それがまた、つまらない話をするんですよ。

 第一声が、
「花火、いかないの?」
 だって。
 昔の政治家の演説だって、もう少し、ましな第一声でしたよ。

 にもかかわらず、
「人を待っているんです」
 と、お姉さん、気丈にも、礼節を保って応対してる。

 凄い!
 偉い!

 私なら、とっくにブチ切れてるね。

 ……んでもって、そのオヤジ、
「花火、いかないの?」
 って、訊いておきながら、
「仙台の花火なんてダメダメ。お江戸の花火にくらべりゃあ……」
 と、きたもんだ。

 いよいよブチ切れて、殴り掛かろうと思ったところを、マル太くんに、
「まあ、まあ……」
 と、なだめられる京子さん。
「もっと、ニッチもサッチもいかなくなってからでいいよ」
 と、マル太くんは知らん振り。
 男の人って、どうして、こういうところでは、怒らないんだろう?
 根が臆病ってこと?

 結局、20分くらいして、彼氏登場。
「じゃあ、花火、いってきます」
 って、最後まで笑顔で応じていたお姉さん。

 いやあ、大人だねー。
 多分、滅茶滅茶に恐かったし、最悪に不快だったと思うんだけど、おくびにも出さない。

 私には無理です。

 5秒で顔にでます。
  10秒で挙にでます。
   15秒で……。

 ――逆にボコボコかもね。

 小学生のときは、それで、近所の悪ガキどもに、散々に、やられました。
 自分の身に危険が及ばないように、もう少し考えて行動しなさいって、親にも学校の先生にも、云われました。

 今日は、マル太くんがいたからよかったけど、私一人なら危ういな。
 小学校のときみたいに、なってたかも。
 クワバラ、クワバラ。

 でも、マル太くん。
 やっぱり、困っている女の人をみて、知らん振りは、よくないと思うぞ。

 その後、一時間ほど話して、解散。
 打ち上げだったのに、アルコールは一切なし。
 しかも、花火大会なのに、それにはそっぽ向いて、喫茶店でお茶。

 病気です。

 どうやら、マル太くんにも彼女はいないみたいですね。

 二人で花火大会、いけばいいんじゃん、って?

 いきません。

 だって、私たち、付き合う気ないもん。
 付き合ったら、五分で破局だね。
 それか、最初のメール交換でおしまいって感じ。

 小説書いたり、マンガ描いたりしていると、人格、歪むのかも。

 う〜む

 

マル太の返信

 すみません。
 この次は、頑張ってみます。

京子さんの返信

 頑張ってみるって、何を?

マル太の返信

 困っている女の人をみたら、知らん振りをしないということ。

京子さんの返信

 私を花火大会に誘うってことじゃないのね?

マル太の返信

 当然でしょ(怒)

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